広瀬比沙雄いけばなギャラリー


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広瀬比沙雄
初冬の花を活ける。
 この頃、私の心をとらえるものに蓮がある。蓮は花の盛りを活けるのもいいが、初冬の枯れ蓮には、いいようのない悲しみが秘められている。
 蓮の枯れ葉、風を受けて仔立する実、人間の老境を連想せずにおれないきびしく切ない美しさなのである。
 今月のこの花は、それをなるべく明るくとらえようとした。おしゃべりしあうようなささやきあうような蓮の実、のどかな空の下で、老人の盡きぬ語り合いと笑い声がつづく、そんな雰囲気を活けてみたいと思った。
 蓮の実の長短をなるべくつけなかったのはそんな意図が働いたと思う。バラの明かるさ、つるうめもどきは話の展開をあらわしてくれないだろうか。
この花器は信楽に遊んだ折デザインしたもので私の気にいっている器の一つである。
 花村 つるうめもどき、蓮の実、バラ(広瀬比沙雄)

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