びわは中国や日本南部に自生するばら科びわ属の果樹。11月〜１月の冬場、大きな互生の放射状の葉の先に、芳香のある白い花を咲かせて、それが初夏には実になります。
いけばなでは昔から香り立つ冬の花として珍重され、立華（りっか）の大葉使いや一種いけの生花（せいか）としても用いられてきました。
作例は、放射状に延びた葉先につけた花を、上下に重ね活けにしただけですが、存在感のある葉の中心にある、清楚で地味な花の一つ一つが、意外なほど美しく芳香を発していることに心動きます。
花/びわの花
器/茶マット花器（藤平正文作）
