いけばな歳時記(すいせん)広瀬典丈





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→水仙の葉組み

水仙の葉の針金による矯め

水仙は房咲きのものが古く渡来しいろいろな技法が伝わっています。出生の観察から、冬の花は葉よりも低く、春は花を葉よりも高く活ける等、その季節感を強調する葉組みや、粉を吹いたような葉の質感と葉のねじれを美しく扱うために、葉の矯めに対しても注意が払われてきました。水仙の葉組みは、まず根本の白い部分(はかまと言う)をよくもんで、まず花、次に葉を抜き取り、あらためて葉から順にはかまに通 し、花茎を通すという方法で行います。そのとき、はかまは高いところが正面 、また葉は正面前後に外側から加えていくのがこつです。→水仙の葉組み
上右の水仙の例はかなり自由な作例ですが、こうした葉の処理の仕方は古くからあります。葉脈にまっすぐな針金番線(二十二番くらい)を通 しておいて曲げるのです。葉保ちはやや悪くなるものの、外からはほとんど見えず、効果 的な技法です。

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