いけばな講座(はらんの葉組み)



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「葉組み」とは
葉組み」とは、葉物の「出生(しゅっしょう)」を生かしながら数枚の葉を整理して組み直し、「役枝(やくえだ)」の形姿を仕立てていく方法を言います。園芸栽培と本草学を背景にした自然観察によって培われてきた、「生花(せいか)」スタイルいけばなの構成法の重要な要素で、葉蘭や万年青・ぎぼし・水仙の他、花しょうぶ・かきつばた・いちはつなど、あやめ科の植物ではよく使われます。

(1)はらん3枚活け
 はらんは長く細い茎(
葉柄)から幅広で量感のある葉へのつながりのバランス、自然の反りやバネに加えて、矯めが自由に利くなど、表現力豊かで保ち良く季節を問わないなど、昔のいけばな練習にはよく使われました。
  はらんの葉の形は、葉柄を中心にした左右の幅が違っていて、表葉にした時、広いほうが右に来る葉を
「右葉」、左に来る葉を「左葉」とと区別します。基本となる考え方は、見る側に幅広のたっぷりした側を見せること。したがって作品の中心線から客位(うけ)に向かうLライン上に幅広部分が並ぶようにします。「本勝手(ほんがって)」では、<しん>「右葉」(葉の向かせ方によっては「左葉」も有り)、<うけ>「右葉」<そえ>「左葉」「逆勝手(ぎゃくがって)では全てその反対になります。
 葉らんの葉を拭く時は下から上に、葉先を垂らす・丸めるなどの矯めは、切り取った茎に葉先を巻きつけます。「
本勝手」<しん>は葉を表に見せるようにして左手前にS形に膨らませながら捻り矯めして形を作ります。<そえ><うけ>は、水際で<しん>の葉柄と一本にまとまるように揃え、それぞれの長さと角度・葉先を、生花基本花型の振りでまとめます。
<うけ>などに適当な大きさの葉が無いときのカットは葉先で行い、葉柄と葉の境はできるだけ残すのが基本です。
 骨組みの三枚葉(ここでは
<しん><そえ><うけ>の名を使用)は位置、寸法を始めに合わせ、中心線下から活けていくこともあります。
(2)はらん5枚活け

作例の「5枚活け」は「3枚活け」に<しん>前の従枝<胴>「右葉」と、<しん>後の従枝<見越し>「左葉」を加えました。<>は<しん>前にポリウムをつける従枝で、<しん>の葉柄を葉裏で包むようにして裏向きに差します。<しん>後の従枝<見越し>は、<そえ>と向き合うようにして、<しん>を支えます。「右葉」「左葉」の入れ方は、<しん>から<うけ>への中心線Lライン上に「右葉」、その外を支えるそえ葉が「左葉」。(逆勝手の場合はその反対)
 <
見越し>が<そえ>の仲間というのは分かりにくいかも知れません。中心線左上から入って右前へLラインを作る<しん>と<うけ>のグループに対して、<見越し><そえ>の仲間は右奥から左手前で中心線を支えるグループだと考えれば分かりやすいでしょう。

 

(3)はらん7枚活けと9枚活け
 作例の「
7枚活け」は「5枚活け」に<うけ内>「右葉」<そえ内>「左葉」の従筏を加えています。
  作例の「9枚活け」は、「7枚活け」に<うけしん>「右葉」、上乗を破って朽ち葉にした<うけ見越し>「左葉」を加わえました。
 こうして加えていけば葉の数はいくらでも増やしていけますし、実際に15枚から数十枚いける流派もありますが、練習としては「
9枚活け」までが限度でしょう。

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