→広瀬典丈Webいけばな講座 →2 古典花→基本について →技術 →自然調とは →古典花
|
花しょうぶ・かきつばたなどのあやめ科の花は、「葉組み」がとても大切な要素です。それらの花には、「花茎」と呼ばれる花の付いた茎と「組み葉」と呼ばれる葉だけが重なって付いている茎があります。活ける時には「花茎」を差した前後に、それを包むように「組み葉」を入れます。ふつう「組み葉」は一度ばらばらにして組み直しをして整えます。その組み直しを「葉組み」と言うのです。
一枚一枚の葉にはスプーンのような凹凸があり、刃先には独特に曲がり(「つめ」と言う)があります。「葉組み」する場合、1、へこみを「花茎」に向けて「花茎」を前後に包むようにすることと、2、「つめ」を向き合わせに葉を重ねること、3、3枚重ねのの真ん中は左右の葉の後ろに置くこと、以上が基本です。これで「出生」にしたがった自然な「組み葉」を再現できるのです。
流派によっては、かきつばた・いちはつは真ん中の葉を低く「中低の葉組」、花しょうぶは真ん中の葉が高い「中高の葉組」を使うなどと言いますが、根拠はありません。ただ、花も最初に咲く花は葉よりも花を低く、二期目の晩花は葉より高くするといった季節感のルールは知っておいてもいいでしょう。▲ →水仙の「葉組み」