いけばな講座(造形いけばな1「枠組みを考える」)



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→(1)「自然調いけばな」との比較 
→(2)左右・上下・対角・交差など、構図を決めて配置する
 
→(3)粗密・主客・強弱の位置取り


花材/花かいどう、スイトピー、玉しだ
花器/四つ口花器(常滑)

(1)「自然調いけばな」との比較

↑→Photo1・2 ニューサイラン、ガーベラ、かえで

→「自然調いけばなの構成法は、
1、「<主材>=<しん>による骨組み」
2、「<主材>=<しん>と<客材>=<下草>による遠近対比」、
3、「<出生>(生えていた時の状態)と季節感の尊重」、
という三つにまとめられます。(Photo1は「自然調」の作例。)
それに対して、「造形いけばな」は、欧米の芸術運動の影響によって生まれた新しいいけばなで、デザイン理論彫刻などの手法を、いけばなにとり入れることから始まりました。
草木の「」「」「」「」を、いけばな作品のための<素材>と考え、「」「」「」や、「」「」「」を決める<要素>として扱うのです。まず「自然調いけばな」の三つの条件から離れましょう。
1、『主材で骨組みを作ら』ない、
2、『主材を高く後ろに、客材を短く前に』という構成法を使わない。
3、『出生季節感』など、花材が担ってきた文脈を離れ、「」「」「」「」を<素材>の<要素>として考える。
Photo2は、『ニューサイランで分割した線枠を作り、2つの枠内にそれぞれガーベラともみじを埋め込む』という構成です。
造形いけばな」の練習方法はいくつかありますが、順を追って、まずここでは枠組みから考える方法を解説します。

(2)左右・上下・対角・交差など、構図を決めて配置する


↑Photo5 ぼけ、きんぎょ草

↑Photo3 クルクマ ↑Photo4 赤芽かしわ・あじさい・つつじ ↑Photo6 こくわづる、カーネーション

1、いけばなを置くスペースを左右・上下など、構図分割する。
2、草木の「
」「」「」「」を、1の構図に従って、対比的に配置する。
Photo3左右Photo4上下Photo5対角Photo6交差と、とても単純な構成ですが、「自然調」のいけばなから離れる演習として、シンプルなものから、一つずつ、ステップを踏んで進んでいくことが大切です。

(3)粗密・主客・強弱の位置取り


↑Photo7 ふじづる、はらん

↑Photo8 さざんか

作品空間中の粗密主客強弱などの、位置取りも重要です。
Photo3の、クルクマの花と葉の左右の位置取りPhoto4も、赤と緑の葉で上下に配置されていますが、つつじの蕾を右に出すことによって、左に粗の空間が生まれます。Photo5のぼけと金魚草の作例では、右斜め上のぼけが、左下の金魚草がの空間、Photo6の赤づるとカーネーションの交差でも、主客強弱の捻るような位置取りが作品の印象を決めています。
Photo7は、左右も粗の空間を左上に取る作例、Photo8は、左下に取る作例です。ボリウム感や軽快感を確かめながら、実際にいけてみましょう。

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