いけばな歳時記(おもと)広瀬典丈




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おもとは常緑で冬に赤い実をつけること、長持ちすることなど、正月の花材として重宝されてきました。
おもとの「葉組み」は、園芸栽培と本草学を背景にした自然観察によって、出生にまつわる活け方の約束が江戸時代から伝えられてきています。
おもとの葉には、旧葉・新葉の区別、右葉・左葉の区別など細かい約束の書かれたものがありますが、実際にはあまりはっきり区別できませんから、それらは無視して形だけ取っていけば十分です。(→おもとの葉組み)

作例では、まず3〜4枚の葉で包み込むように丸く活け、その手前をまた数枚で囲っています。最後に正面からのぞくように実を入れて活けあげました。
花/万年青
器/黒釉楕円水盤(大津寄花堂作)

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