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(1)青竹を使うオブジェ
竹は色も美しく、切る・割るなどの処理も容易で、直線・曲線の動きを生かした作品ができます。伐採の適期は冬。切り立ての竹は、水が出て切り口からカビやバクテリアが侵入しやすく、乾燥変色もあります。予防策は以下。 |
←Photo1、真竹120本を交互に組んだ構成 ↑Photo2、割竹による構成 |
孟宗竹
1、節目筋が1本で根本が太く枝先は細く、曲がっていることも多い。
2、節と節の間がやや狭く肉厚で重い。
3、細い穂先をカットした実用長さは7〜8m。 ▲
真竹
1、節目筋が2本で節と節の間が長く真っ直ぐな細立ちでスマート。
2、肉厚は薄く重量も軽い。
3、直径は9cm前後と細く、高さ10〜20mに達する。
1、服装と必要な道具
★明るい色の作業着・帽子など(蜂を避けるため)★運動靴か作業靴
★軍手または作業用革手袋
★タオル
★のこぎり(荒目・厚手の替え刃タイプが良い)★メジャー(印を付けた紐)★剪定鋏・花鋏(枝落とし用)★救急用具
2、伐採方法と車両積み込み時の注意
1、間伐に適した青く太い竹を選び、黄色を帯びた竹と細い竹は取らない。 ▲
2、根元10cmあたりにノコギリを入れる。竹は切り終えても周囲に支えられてふつうはそのまま立っている。
竹の根元を蹴って切り口をずらし、掴んで引き倒す。
3、倒した竹の枝葉はカットし、必要な長さに切る。
4、竹は滑りやすく傷つくと痕跡が残る。荷崩れしないように滑り止めで固定しロープを掛ける。(過積載は危険)
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1、道具
★竹割り器(6割、8割、10割)
★大型木槌
★ゴムハンマー(大)
★当て木用の枕木
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2、作業手順
竹割り器は、15cm・18cm・20cmのサイズが有ります。鋳物製で重いので、18cmまでが扱いやすいでしょう。(割り器の中を竹が通過する際、広がるので、竹割り器の直径は割る竹の1倍半は必要。) ▲
→Photo7・8、木槌で割器を食い |
1、根元を枕木に当てて竹にまたがり、割り器を持って竹にあてがい体で支える。
2、竹の穂先と竹割り器の中心を合わせ、ゴムハンマーで割り器を食い込ませる。
3、3節ほど割ったら両手でハンドルを引き戻して、反動で1節づつ割り進む。
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3、注意点
1、竹割り器は、ハンドルは木槌で叩かない。
2、竹割り器を中心から外さない。
3、5年を過ぎた黄色味を帯びた竹は割らない。 ▲
1、プラン |
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↑他の竹作品画像 →1988 →2002 →2005 →2008 |
★荒引きのこぎり・シノー・ペンチ・ワイヤーカッター・ハンマー ★番線・杭・アンカーウェイト・ターンバックル・ビニルテープ マーカー ★インパクトドライバー、スクリュードリルドライバー ★真竹2本分を通せるロングドリルキリ・インパクト下穴用キリ ★ 竹割器・当て木・ゴムハンマー・木槌・脚立 ★コードリール・水平定規・ビニールシート・巻き尺・荷造り紐 ★軍手・皮手袋、作業着、帽子、ズック靴、救急用具 ▲ |
↑Photo13、インパクトドライバー |
↑Photo14〜17、シノーによる番線締め 竹2本をドリルで貫通し、通した番線を上下手前にたすき掛けに戻し、二つ折りの頭に通したシノーに掛けて締め上げる。 |
中空で裂けやすい竹のビス留めは、柔軟性に問題があり危険です。竹の結束は、太さ3.1mm、長さ1,400mm、二つ折りの結束用なまし番線を使います。
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1、作品模型に従い、底辺の基礎部分を組む。
2、組み方は、組む竹に下穴用ドリルキリ(写真12下)で先穴をあけ、その後2つ組む竹
の直径より長い8mm径ほどのロングドリルキリで穴をあける。(写真14)
3、
あけた穴に写真11の番線を通し(写真15)、番線の2つの先を折り広げ、手前に
持って来て(写真16)、番線の頭に潜らせたシノーでまとめて締め上げる。(写真17)
4、基礎(土台部分)を組み、倒れないよう杭やアンカーウェイトで固定する。(写真19)
5、立ち上げる部分は、ねかせた状態で竹の長さを定めてから切断し、1本ずつ順番に番号
付けしたビニルテープをつける。
6、番号順にA〜Cの手順で1本ずつ結束してしていく。
7、全ての結束が終わったら、構造を揺らして、安定を確かめ、補強する。
(参照資料『草月流万博市民プロジェクト制作手順書』雑賀敬二良)