いけばな講座(青竹を使うオブジェ)



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(1)青竹を使うオブジェ (2)孟宗竹と真竹 (3)竹の伐採 
(4)割り竹
 (5)制作 1プラン 2制作用の材料と道具 3制作手順

(1)青竹を使うオブジェ

竹は色も美しく、切る・割るなどの処理も容易で、直線・曲線の動きを生かした作品ができます。伐採の適期は冬。切り立ての竹は、水が出て切り口からカビやバクテリアが侵入しやすく、乾燥変色もあります。予防策は以下。


←Photo1、真竹120本を交互に組んだ構成
↑Photo2、割竹による構成

↑Photo3、孟宗竹と真竹
1、カビキラーや漂白剤の稀尺液を塗る
2、清潔で風通しの良い場所に保管する。
3、風雨や日光に晒さない。 

(2)孟宗竹と真竹

 孟宗竹
   1、節目筋が1本で根本が太く枝先は細く、曲がっていることも多い。
   2、節と節の間がやや狭く肉厚で重い。
  
3、細い穂先をカットした実用長さは7〜8m。 
 真竹


↑Photo4、折りたたみノコギリ


   1、節目筋が2本で節と節の間が長く真っ直ぐな細立ちでスマート。
   2、肉厚は薄く重量も軽い。

   3、直径は9cm前後と細く、高さ10〜20mに達する。

(3)竹の伐採

 1、服装と必要な道具
  ★明るい色の作業着・帽子など(蜂を避けるため)運動靴か作業靴 軍手または作業用革手袋 タオル
  ★のこぎり(荒目・厚手の替え刃タイプが良い)メジャー(印を付けた紐)剪定鋏・花鋏(枝落とし用)救急用具

 2、伐採方法と車両積み込み時の注意
  1、間伐に適した青く太い竹を選び、黄色を帯びた竹と細い竹は取らない。 
  2、根元10cmあたりにノコギリを入れる。竹は切り終えても周囲に支えられてふつうはそのまま立っている。
    竹の根元を蹴って切り口をずらし、掴んで引き倒す。
  3、倒した竹の枝葉はカットし、必要な長さに切る。
  4、竹は滑りやすく傷つくと痕跡が残る。荷崩れしないように滑り止めで固定しロープを掛ける。(過積載は危険)


↑Photo5、竹割り器

(4)割り竹

 1、道具
  竹割り器(6割、8割、10割)    大型木槌
  ゴムハンマー(大)        当て木用の枕木  

 2、作業手順
竹割り器は、15cm・18cm・20cmのサイズが有ります。鋳物製で重いので、18cmまでが扱いやすいでしょう。(割り器の中を竹が通過する際、広がるので、竹割り器の直径は割る竹の1倍半は必要。) 

↑Photo6、竹割り

→Photo7・8、木槌で割器を食い 
込ませ1節づつ割り進む。


↑Photo9、ストローを使った模型

  1、根元を枕木に当てて竹にまたがり、割り器を持って竹にあてがい体で支える。
  2、竹の穂先と竹割り器の中心を合わせ、ゴムハンマーで割り器を食い込ませる。
  3、3節ほど割ったら両手でハンドルを引き戻して、反動で1節づつ割り進む。

 3、注意点
  1、竹割り器は、ハンドルは木槌で叩かない。 
  2、竹割り器を中心から外さない。 
  3、5年を過ぎた黄色味を帯びた竹は割らない。 

(5)制作

1、プラン
図面によるプランニングと並行して、ストローなどを使った、できるだけ正確な縮尺の模型を作ると、具体的なイメージがつかめ、切り出す竹の数や太さ、長さも正確に割り出せます。模型があれば、制作時にも参加者が自分の分担を確認でき、モチベーションも高まります。      

↑他の竹作品画像 →1988 →2002 →2005 →2008

 2、制作用の材料と道具


↑Photo10、ペンチ、
  ワイヤーカッター


↑Photo11    →Photo12

  ★荒引きのこぎり・シノー・ペンチ・ワイヤーカッター・ハンマー
  番線・杭・アンカーウェイト・ターンバックル・ビニルテープ
   マーカー
  インパクトドライバー、スクリュードリルドライバー
  ★真竹2本分を通せるロングドリルキリ・インパクト下穴用キリ
   竹割器・当て木・ゴムハンマー・木槌・脚立
  ★コードリール・水平定規・ビニールシート・巻き尺・荷造り紐
  ★軍手・皮手袋、作業着、帽子、ズック靴、救急用具  

3、制作手順


↑Photo13、インパクトドライバー


↑Photo14〜17、シノーによる番線締め 竹2本をドリルで貫通し、通した番線を上下手前にたすき掛けに戻し、二つ折りの頭に通したシノーに掛けて締め上げる。

↑Photo5、竹割り器

中空で裂けやすい竹のビス留めは、柔軟性に問題があり危険です。竹の結束は、太さ3.1mm、長さ1,400mm、二つ折りの結束用なまし番線を使います。  
   
1、作品模型に従い、底辺の基礎部分を組む。
   
2、組み方は、組む竹に下穴用ドリルキリ(写真12下)で先穴をあけ、その後2つ組む竹
     の直径より長い8mm径ほどのロングドリルキリで穴をあける。(写真14)

   
3、 あけた穴に写真11の番線を通し(写真15)、番線の2つの先を折り広げ、手前に
     持って来て(写真16)、番線の頭に潜らせたシノーでまとめて締め上げる。(写真17)

   
4、基礎(土台部分)を組み、倒れないよう杭やアンカーウェイトで固定する。(写真19)
   
5、立ち上げる部分は、ねかせた状態で竹の長さを定めてから切断し、1本ずつ順番に番号
     付けしたビニルテープをつける。

   
6、番号順にA〜Cの手順で1本ずつ結束してしていく。
   
7、全ての結束が終わったら、構造を揺らして、安定を確かめ、補強する。

(参照資料『草月流万博市民プロジェクト制作手順書』雑賀敬二良)

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