いけばな講座(軽快にいける)



○「はなを軽快にいける」というのは抽象的なテーマみたいですが、店のディスプレイやパーティなどの演出でも、置かれたものは、その場所と来客との関わりに影響し、イベントのイメージを決定します。
○「軽快さ」は、そうした「場所・関係を作り出す」だけでなく、そのものの持ち味です。以下具体的な方法を5点ほど上げてみます。
●作品中心が上に来ると、見る側の視点も上に上がり、動きのある引き上げられるような軽快感が生まれる。
●花材を少なく整理して使い、空間(特に下部)を多くする。
●花材の方向性を上方に向け、遠心的に使うと舞い上がるような効果 が出る。
●花材を円、渦巻き、らせん、不定形の流れなど、動きのあるものにすると軽快感が出る。(特に動きが上方に向けられると効果 的)
●花器は小、底面小、足つき、明色・光沢・透明などが有効で、水を見せるのも良い。
紅かしわの枝別れの枝もと3本を曲げて花器の端にかませ、横枝1本に葉を残して上に伸ばし、くじゃく草をからませたもの。枝を弓なりに曲げて、そのばねで留める方法を、私はアーチと呼んでいます。剣山無しで留まり、下部に空間ができるので、軽快感の演出にはとても向いています。。 
  添木止めしたそてつに、針金で引っ張って丸くしたそてつを引っかけて絡め、ガーベラはそてつの葉に挟んで吊り、最後にサンセベリアも絡ませました。花などを上から吊るようにしても軽快感が出ます。
ブルーセージの投入。ガラス花器に円を描くようにブルーセージの花と葉を持ってきました。  
細いガラス鶴首に、ぼけとチューリップを真っ直ぐ上に押し込み、その後、葛のつるとスケルトンリーフを絡ませて、上に向かう動きを作っています。  
足つきの碗を3つ使って水を見せ、おみなえしは針金で留めています。おみなえしを上方遠心(中心から遠ざかるような方向性に揃えること)にして、作品中心も高くとっています。