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(1)卷く・丸める・通す・くるむ
「卷く・丸める・通す・くるむ・包む」なども、よく使われます。▲
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←Photo6 がま・とくさ ↑Photo7 エニシダ |
「結ぶ・編む・絡ませる」も、前項で取り上げた手法と共通です。
Photo6は、がまの穂をとくさで結束しています。▲
Photo7の、緩く結んだエニシダを使った一種いけは前項の卷いた葉らんと似ていますね。
長細い葉や、柔軟性のある枝など、どんどん新しい動きが引き出せますから、さまざまな花材を利用して、卷いたり結んだり丸めたりの工夫を楽しんでください。▲
革工芸には、両端が一つで中央部だけが三つ編みになったベルトなど、→「トリック三つ編み」という手法があります。
Photo8で説明しますと、中部分だけ三つに裂いた葉の、下の方から、右外左外、中と交差させ、3-4のように潜らせます。よれた葉をもう一度潜らせると三つ編みが出来ます。▲
↑Photo8 「トリック三つ編み」の手法 |
葉を編んだようにしたいだけなら、交差させた後潜らせれば出来てしまいます。
Photo9は、カーネーションを囲むように、トリック編みしたジャーマンアイリスの葉を絡ませています。
↑Photo9 ジャーマンアイリスの葉、カーネーション | ↑Photo10 ふじづる、あじさい | ↑Photo11 ぎんめ、チューリップ、旭日はらん |
Photo10は藤づるを丸く編んだ(織った)作例。
Photo11は、銀芽かしわの枝を花器に咬ませながら絡ませて、はらんとばらをその中に、さらに絡ませるように入れています。
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↑Photo12 アリウム、ガーベラ | ↑Photo13 がま、とくさ | ↑Photo14 ルリ玉あざみ、ばら |
「つなぐ・組む」などの方法で、花材は大きく表情を変えます。
Photo1〜11も、葉や中空の茎を使って組んだりつないだりしています。Photo12のような動きのある茎を持つ花材は、花器の中で少し工夫すれば、見る側もつながりを感じてくれますから、実際の花材が持っている動きよりも、より大きな動きが見せられます。▲
↑Photo15 ワイヤでつなぐ方法 |
Photo1・3など、柔らかな花材は両面テ−プやホチキスなどでつないだり、Photo10・15〜18のような粘りのあるものは、
結び合わせます。
水揚げの心配のいらないものは、Photo14のように、枝分かれなどを利用して正四面体などのユニットを作ったり、積み木のように組む手もあります。草ものなどの柔らかい2つの茎を角でつなぐ時は少ししっかりした針金をL字に折り曲げ、双方の茎に差し込んでつなぎます。(Photo15)▲
(4)分ける・剥ぐ
↑Photo16・17・18 ふじ |
↑Photo19 あおき、たけしまゆり
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1つの花材を、花や葉、枝、茎、あるいは枝の分岐など、それぞれの部分で分けて、再構成するという方法もあります。
Photo16のふじの葉を全部取ると、Photo17のような葉を付けていた延びた細い緑の枝が放射状に現れて、とても美しいのです。その枝を結んだりして組み合わせ、葉は別にして、卷いてつないで右に置いたのがPhoto18です。▲
植物の茎や枝の表皮と内側では、かなり色合やきめが異なる場合が多いものです。カッターやはさみで表皮を剥ぎ取ると、鮮やかな対比を作りだせます。Photo19は、あおきですが、葉先を残し、根本の枝を結び合わせたりして形を作った後、。ちょうどりんごの皮をむくようにカッターで剥ぐ部分を作りました。
あおきの枝は葉と同じ緑ですが、表皮の下は黄みの白です。あおきの葉も、上は表葉、下は裏葉と見せ方を変えています。▲