リズムは、並列・繰り返し・積み重ね・パターン反復・波形変化などで、動きや抑揚を生みだす方法ですが、前回とは少し違うアプローチとして、バネ・弾み・弾性、動き・方向、アクセントなどについて考えます。
(1)バネ・弾み・弾性
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葉を工夫してカットし、その弾力を利用して下げると、軽やかなリズム感のある形を保ちながら展開します。(Photo8・9)▲
それとは少し違いますが、枝や茎の弾力を利用すると、花材の弾ける動きが強調されます。
Photo10は、とくさで枠付けてから、ヘリコニアとカーネーションを、とくさの枠で押さえつけるようにして、カーブさせています。左右に曲げられた反発力が、躍動的な表情を生むのが分かるでしょう。▲
(2))動き・方向
↑Photo11 きんかん
→Photo12 そてつ、ガーベラ
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↑Photo13 はらん |
→「バランス」でもあつかいましたが、ヤジロベーのような、動きを伴う造形には自ずとリズムが生まれます。→方向性も、リズム構成では重要な要素です。
柑橘類は緑の枝振りに丸い実が着くのが特徴です。Photo11は、独自の動きとリズム感を持つきんかんを、1本の枝で支えて向き合わせで均衡させています。
Photo12は、中心線に沿って真っ直ぐ上に延びるガーベラと、斜め上から旋回して上昇するそてつの葉。2つの方向性を用いた構成。Photo13は、丸めた葉らんで渦巻パタンを作り、その渦を、側面から反復の積み重ねています。▲
(3)アクセント
↑Photo14 あかめがしわ、こくわづる
→Photo15 あかめがしわ、あじさい、つつじ |
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アクセントは強調とも訳されますが、単純な構成の中に「クセ」を加えたり、一捻りさせるような演出を言います。▲
Photo14は、枯葉の中に3枚の元気な葉、こくわづるを載せる、どちらもアクセントです。
Photo15は、単純な上下の→色彩対比に、1本のつつじを覗かせたところがアクセント。
いずれもふだん普通にやっていますが、リズムの観点から確かめてみましょう。▲
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