広瀬典丈・広瀬さちよ彩色磁器ギャラリー6


作家のあり方を切り開く先駆性
広瀬夫妻とのお付き合いは一九七〇年代の京都陶工訓練校以来です。s
京都時代、典丈氏は釉薬の研究会を立ち上げて試験報告誌を発行し、名古屋で独立されてからは夫妻で全国各地の百貨店で次々と展示会を開くなど、当時、私などとても及ばない遠くの先陣で、これからの作家のあり方を切り開いているように思えたものでした。そして今、夫妻の創り出す作品群にも、私は同様の先駆性を感じています。
陶磁器制作  飯田 眞人(日本工芸会 正会員)

銀釉裏彩筍図盒子(25.5×16cm)(2007年)
蓋ものの一部を仕切って片身替わりにしました。蓋を取った見込みには藍の象眼で、丸紋が施されています。「象眼」は彫りを入れて、その溝に呉須を入れる手法です。絵の部分は釉裏彩で筍を描き、上絵で銀を加えた部分には渦巻き文の地もようを浮き出させています。第3回東京池袋東武展案内葉書のタイトルです。
銀釉裏彩鉄線図盒子(18×9cm)(2007年)
蓋ものの一部を仕切って片身替わりにしました。蓋を取った見込みには藍の象眼で、丸紋が施されています。「象眼」は彫りを入れて、その溝に呉須を入れる手法です。絵の部分は釉裏彩で筍を描き、上絵で銀を加えた部分には渦巻き文の地もようを浮き出させています。第7回豊橋丸榮展案内葉書のタイトルです。
釉裏彩大根図輪花皿(32.8×7cm)(2008年)
大根の絵の部分をあらかじめ紙でふせておいて、墨彩の吹墨を吹き。その後紙を取って白地になった所に絵を加える手法です。大根の白い部分は素地の色を残し、葉の部分だけ緑がかった墨彩の骨描き、黄緑、緑の同系色の押さえ目の色調で仕上げました。第11回名古屋、松坂屋案内葉書のタイトルです。
金釉裏彩鉄線図ランプ(38.5×56cm)(2008年)
染付ダミと釉裏彩、金彩で鉄線を描いたランプです。 鉄線の赤は釉裏紅ではなく、金赤を用いています。第8回豊橋丸榮展案内葉書のタイトルです。
金釉裏彩筍図盒子(28×15cm)(2009年)
蓋ものの一部を仕切って片身替わりにしました。蓋を取った見込みには藍の象眼で、丸紋が施されています。「象眼」は彫りを入れて、その溝に呉須を入れる手法です。
絵の部分は釉裏彩で筍を描き、上絵で金を加えた部分には渦巻き文の地もようを浮き出させています。

このふた物は、伊勢せきや制作TV番組「一芸一流」で取り上げられたものです。 PDFファイルはこちら→
銀釉裏彩ひなげし図盒子(27.5×15cm)(2009年)
蓋ものの一部を仕切って片身替わりにしました。蓋を取った見込みには墨彩の象眼で、丸紋が施されています。「象眼」は彫りを入れて、その溝に墨彩を入れる手法です。絵の部分は染付ダミ釉裏彩、吹墨でひなげしを描き、上絵で銀を加えた部分には渦巻き文の地もようを浮き出させています。第4回東京池袋東武展案内葉書のタイトルです。
金釉裏彩烏瓜図盒子(28×15cm)(2009年)
蓋ものの一部を仕切って片身替わりにしました。蓋を取った見込みには墨彩の象眼で、丸紋が施されています。「象眼」は彫りを入れて、その溝に絵の具を入れる手法です。絵の部分は染付ダミ釉裏彩で烏瓜を描き、上絵で金を加えた部分には渦巻き文の地もようを浮き出させています。第3回仙台フジサキ展案内葉書のタイトルです。

銀釉裏彩筍図盒子(28×15cm)(2009年)
蓋ものの一部を仕切って片身替わりにしました。蓋を取った見込みには墨彩の象眼で、丸紋が施されています。「象眼」は彫りを入れて、その溝に墨彩を入れる手法です。絵の部分は釉裏彩で筍を描き、上絵で銀を加えた部分には渦巻き文の地もようを浮き出させています。第9回豊橋丸榮展案内葉書のタイトルです。
このふた物は、伊勢せきや制作TV番組「一芸一流」で素焼きに絵を描く実演に使っていたものです。 PDFファイルはこちら→

銀釉裏彩椿図盒子(28×14.5cm)(2010年)
蓋ものの一部を仕切って片身替わりにしました。蓋を取った見込みには墨彩の象眼で、丸紋が施されています。「象眼」は彫りを入れて、その溝に墨彩を入れる手法です。絵の部分は釉裏彩で椿を描き、上絵で金を加えた部分には渦巻き文の地もようを浮き出させています。第12回名古屋、松坂屋案内葉書のタイトルです。

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